Longing Love ~あなたに恋して、憧れて ~
「どうかしたのか?」
気付いたら、ナオの部屋の窓辺に立って、
外の夜景をぼんやり見ていた。
ほんの少しの時間でも、
美しい風景が馴染んで来て、
記憶に残ろうとしている。
鍵の開く音、
迎えいれようと思ったのに、
ナオは、すでに部屋に入って来てしまった。
仕事帰りのナオ、初めて見る。
「お帰りなさい」
ずっと、言ってみたかった。
声をかけると、
ナオがこっちへ向かってくるところだった。
「夜景見てたの?」
「そうみたい」
夜景を見てるうちに、様々な考えや、
イメージが浮かんで来て、
最後は夜景何て見えなくなった。
ナオが、いきなり部屋の電気を消した。
「どうしたの?」
「いいから、そのまま、動かないで」
暗がりに目がなれる前に、
後ろからナオに抱きしめた。
「あっ…」驚いて声が漏れる。
ナオが
優しくそっと、首筋にキスをする。
「長年の妄想が実現するところだから、
このままじっとしてて」
「妄想ってなに」
「夜景をバックに…」
「ダメ。そんなとこで…」
「ええーっ!ダメ?どうしても?
妥協してカーテン半分閉めるから」
ナオは、私の体を
カーテンを背にして、
押し付けた。
「ナオ、食事は?…ちょっと、
ダメだってば…ナオったら!」
キスされて、体をもみくちゃにするほど
愛撫されて、下着を引き下ろされ、
ナオが私の中に入って来る。
頭が真っ白になって、
なにも考えられなくなる。
いったい、
こんな楽園みたいな場所から出て行ったら、
どうやって暮らしていけばいいのか、
わからなくなる。
私は、ナオに必死にしがみつきながら、
窓の外の冷ややかな光、
夜の景色を見てそう思った。