Longing Love ~あなたに恋して、憧れて ~
私達は、公園のベンチに腰掛けた。
周りには、人影もない。

時どき、通行人が通り抜けるだけ。


「でも俺、春の意見聞きたいんだ。
だからちゃんと答えろよ。
これでも真剣に考えていってるんだから」


「わかった。じゃ、
真面目に聞いてあげるから、
真面目に答えなさいよ」


私は、家庭教師が
出来のいい生徒を見るようにかしこまった。

下らない悩みだって、
ちゃんと聞くわよって顔で。


せいぜい、
無駄に授業料を払ってしまったと、
思われないように、
意味のある言葉を並べるみたいに。


「う~ん、どうだろう。
最初は、だいたい声かけてくれるだろ?」


「うん」


「まあ、いいかなと思って
付き合い始めるんだ。
食事に行って、
プレゼント渡したりして親密になる。

親密になりすぎると、それでいいのかと、
葛藤が始まる。

葛藤が始まると、
俺の様子を見て相手が不安になる。


そうすると、相手は成果を求めてくる…
まあ、
そんな感じ…うーん、
ひたすら同じ。ワンパターンだね」


高城君、君は、優秀なくせに
私の30倍も馬鹿な真似してるのかい?

っていうのは言わないけど。

笑ってるのはバレたかも。


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