Longing Love ~あなたに恋して、憧れて ~
「そういえば、
朱音ってどんな人と付き合ってるのか、
全然言わないね」
朱音の手元が狂って、
注いでいた飲み物がこぼれた。
「ごめん、濡れなかった?」
「うん。大丈夫」
「どうしたの?いきなり、そんなこと聞いて」
「ほら、自分がうまく行ってると、
人のことが気になるってやつ。
きっと、ゴージャスで
刺激的で大人なんだろうな」
「そんなわけないでしょ?」
「だって、こんな素敵な女性なら、
どんな恋愛も可能でしょう?」
朱音は、ふっと寂しそうに笑った。
「そんなはずないでしょ?
じゃなきゃなんで、
一人で寂しく友人の恋バナ聞いてるのよ」
「きっと世界中の男は見る目がないんだわ」
私は、朱音の体を抱きしめた。
思ったより、華奢で女の子っぽい。
「ねえ、春ちゃん、どんなに完璧にしたって、
どんなに努力したって
振り向いてもらえないこともあるのよ」
「朱音、早くそんなやつ忘れなさい」