Longing Love ~あなたに恋して、憧れて ~
午後の会社の給湯室。
出口の前で、由貴ちゃんが
とうせんぼをしている。
「ダメです。もう、
1分だって待てませんから」
由貴ちゃんが、
私の前で立ちはだかって、
1歩も動かないと頑張ってる。
「電話したくないって事じゃないの。
いきなり、伝える事は良くないと
思ってるだけ」
いきなり、電話がかかってきて、
付き合うことになった。
そう言われるんじゃないかって、
気が気じゃなかった。
この間の久俊さんの、言葉を思い出していた。
「それは、お優しいことで」
「言わなきゃいけないのは、わかってる」
「ナオさんにとっても、失礼です」
「由貴ちゃん、これは、私の問題だから…」
「先輩?私だって、
係長が先輩に振られたからって、
こっちを見てくれるわけじゃないの
わかってます」
「係長、来ないかな」
「この間、来たばっかりじゃないですか。
先輩は、好きな人が毎日見られるだけで、
幸せだってこと、知るべきです」
「そうね。でも、私も片思い歴は長いのよ」