Longing Love ~あなたに恋して、憧れて ~


仕事が早く終わった日は、
ナオの所に寄る事が多くなった。


ナオは、帰るのが遅いので、
食事も一緒に取れないことも、多い。


それでも、わずかな時間でも、
1日の終わりに、心から望む人と過ごすのは、すばらしいと思う。


久俊さんの、顔が浮かんで、
彼に対して、もう少し、
何か出来たのではないかと、
思わずにはいられないが、
その分、誠実に彼には向かおうと思う。



「ただいま」


疲れて帰ってくる人…
ナオと居て初めて、
少しの時間でも一緒にいたい。


相手を待ち望むということがわかった。


ナオは、出迎えた私の顔を見て、
満足げにうなずくと、



「ああ。もう、何もしたくない…クソ、
部長ったら、人をこき使って…」


「今日は、疲れてるから、
ぐっすり眠れるわね」


「春が、大人しく寝かせてくれれば」


「わかった。今日は近寄らない。ご飯食べたら
別の部屋で寝よう」


「へっ?何、言ってるの」


「だって、つい、
うっかり手が出ちゃったら、まずいでしょ?」


「うっかりっていうのは、どんなの?」


上着を脱いで、ネクタイをゆるめる。
ナオは、着替えるのをあきらめて、
私を抱きしめてきた。


「聞きたいな」


「そんなことしてると、
また、寝不足決定だよ」


「もう1日くらい、大丈夫」


「知らない」


「わかった。春が、つい、
うっかり手を出してくれればいい」




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