Longing Love ~あなたに恋して、憧れて ~
「あいつ、帰ってくるんだろ?」
「うん」
「あと2ヶ月?」
私は、顔を上げてナオを見た。
表情に変化はなかった。
「どうしてそれを?
ああ、由貴ちゃんが言ったんだ。
そっか、それで、2ヶ月なんだ」
「2カ月で何とかしろだって。
じゃないと、俺は、かなわないんだそうだ」
「由貴ちゃんでしょ?
あの子、前野係長が好きだから」
「やっぱり、2ヶ月って何かあるの?」
「別に。何も。係長が帰ってきても、
ナオと付き合ってますっていうだけだから」
「ああ。そうだね」
ナオは私を抱きしめてキスをする。
ナオは、
私の気持ちが自分から離れて
しまうことを心配している。
十年も変ることなかった感情が、
簡単に消えてなくなるわけないのに。
それより、心配なのは、
ナオが私への気持ちが愛情だと
誤解している場合だ。
ナオ、
そっちのほうが何度も前科があるのよ。
『彼女に対する気持ちって、
今になってみると、
ずっと続くものじゃないって解ったよ』
そういって、
恋愛を終わらせたの、
一度や二度じゃないでしょ、ナオ。