Longing Love ~あなたに恋して、憧れて ~

「まあ、みんなそんなもんだよ。
自分の欠点は見つけにくい。

だけど、ナオ?
私には、どうして、全然別の人と付き合って、
同じ結果になるのかわからないけど。

それじゃ、ナオは、まるで、
誰と付き合っても、同じものを
求めてるみたいじゃない?」


「えっ?」


他人の無限ループはよくわかるけど、
自分がハマり込むと気づきにくい。
ま、自分で気づくしかないよ、ナオ。


ナオは、じっと考えこんでたから、
納得してくれたんだろうと思った。

それで、
私は、駅に向かおうと立ち上がった。

正確には、立ち上がろうとした。



「ちょっと待ってよ、春、
やっぱ、よく分かってんな、俺の事」


「そりゃ付き合い長いから」



「じゃあさ、俺、春妃でいいや」


急に腕を引かれて、
バランスを崩して、反対方向に体が傾いた。


「えっ?」

私の体は、しっかり、
ナオの腕をに捕らえられ、
ナオの膝の上に乗せられた。


何?
何が起こったの?


ナオは、私の体を抱きしめるように、
しっかりと腕を回している。


全然警戒してなかった。
もしかして、完全に裏をかかれた?


「私でいいって、何のことよ」


体が引き寄せられ、耳元でささやかれた。


「決まってんじゃん、俺たち付き合うんだよ」 

ナオは、私の体をぎゅっと抱きしめた。

俺の勝ち
ナオの声が聞こえた気がした。


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