Longing Love ~あなたに恋して、憧れて ~
私は、飛び起きた。
「電話…公衆電話」
「おい、まだ、起きちゃダメだ」
確かに頭がくらくらする。
大人しく、ベッドに寝かせようとする、
高城君に従った。
あわてても、昨日のことでは対処のしようがない。
私は、おぼろげに、
彼に、ここまで運んでもらった事を
思い出した。
「高城君、ここまで運んでくれてありがとう」
「いいよ、そんなこと」
あーあ。
バイト、ダメになっただろうな。
二つも失ったのは、きついけど。
電話だけでもしなきゃ。
「お前、何考えてんだ」
「何?」
「一日に二つも掛け持ちして、
しかも、ほとんど毎日のように。
昼間は、ずっと学校にいて。
いったい、いつ寝てる?」
「若いから何とかなると思って…」
「連絡するために、手帳見たぞ。
家庭教師は、日にちをずらしてもらった。
それから、ホテルは俺が昨日、
代わりに働いた」
「うそ…」
「まあ、眠かったけど、仕事は、
それほどでもなかった」
「よかった。ありがとう」
けっこうなお金になるんだよね。
高城君に感謝した。
働きながら、こっそり勉強も出来たし。
それだったら、
首にはならないだろう。
一晩で1万円も、もらえるバイトは、
ほんとにありがたかった。
「ああ、でもホテルの方は、
今日で終わりにするって、断ってきたよ」
「なんですと!?」
「危ないだろう、深夜に一人で受付なんて。
しかも、繁華街の外れのホテル何て、
連れ込み宿と変わらない」
「うそ。冗談でしょ。また、
割のいい仕事探さなきゃ」
「バイトの事なら、心配するな」