Longing Love ~あなたに恋して、憧れて ~
「退院したら、家庭教師をしてもらう」
「センターから、回してもらったの?」
私が登録している、
センターに掛け合ってくれたのかな?
「いや」
「じあゃ、なに?」
「俺の実家。家に小学生の妹がいる。
妹の都合に合わせて、
こちらが必要なだけ、勉強の面倒を見てもらう」
「妹さん?何年生?」
「5年生。
時給ではなく、定額で月十万、
妹の受験が終わるまで」
「中学受けるの?」
「ああ、うちの中等部だけど…」
「それでも高すぎるよ。その半分も、
もらえない」
「後の半分は、俺…
経済学部で、数学が必修だから」
「高城君の?家庭教師って何、それ…」
笑いをこらえながら言った。
「いいよ。深く考えなくても」
「高城君が、
どうしてこんなに親身になってくれるの?」
「黙って、受け取ればいいんじゃない?
援助がなきゃ、君は、明日からやっていけないだろう?」
「良くないよ。そんなにしてもらって」
「本当に、気にすることないよ。
祖父が言い出したことだから。
それに、意地張ってる場合じゃない」