Longing Love ~あなたに恋して、憧れて ~
退院して、バイトが減って
朱音と高城君の3人で、
大学の近くの喫茶店に出かけて、
時間を忘れて、おしゃべりをする。
そんな、些細なことが、幸せに思えた。
私は、高城君に、
何度もお礼をいった。
「高城君には、いくら感謝しても足りない」
朱音は、
「ナオにばっかり、良いところ持っていかれてずるい。
私にだって、きっと教えてもらいたいことあるわ」
と冗談を言う時間が、楽しかった。
「朱音は、何でも出来るじゃない」
「そうだ」と高城君。
「私も数学習おうかな。ナオと一緒に」
「ダメ」高城君が否定した。
「いいじゃないの、ケチ」
「高城君は、シャレにならないから、一緒には、できないよ」
と朱音に向かって私は言う。
高城君の顔が、一瞬陰った。
友達でもないのに彼に、私は、なんて
失礼な事を言ってしまったのだろう。
「そんなこと、まともに答えるなよ…」
高城君は、
気分を害するどころか笑っていた。
私は、彼を見てほっとした。
朱音が唐突に聞いた。
「雪乃ちゃん元気?」
「ああ、元気だよ」
雪乃ちゃんと言うのは、高城君の妹だ。