Longing Love ~あなたに恋して、憧れて ~





「付き合うって…私と?あなた…」



私は、目をぱちくりする。



ナオが顔を近づける。
「なに、その難しい顔は」



「難しいこと言うからよ」



「どうして、難しく考えるんだ?」

彼の指が、顔の輪郭をたどって、
私の顔を両手でつつむ。


ナオは恋愛なんかで、
失敗したりしないのだ。

だから、どうしたら
上手いかせる、という発想がない。



「どうして、私なの?」



「さっき、春が言っただろ?
誰と付き合っても、
同じものを求めてるって。
俺より、春のほうが俺のことわかってる。
だから、責任取れ」



「ナオ、ふざけないで。

私が、あなたと上手く行くって
どうしてわかんのよ。だめよ、絶対ダメ。
そんな理由じゃOK出来ない」


「やってみなきゃ、分からないじゃないか」

ナオは、私が油断している間に、
私の体に腕をまわす。

お互いの体が近くなる。

「やってみるまでもないよ」

さっきから、
不穏な空気を感じて、
ナオの腕から逃れようとしているのに、
逆にナオは腕の力を強めている。


「そうかなあ。いいと思うけど。
そんなことより、
春は、キスとハグのどっちがハードル高い?」



例のごとく、これだけNOだと言ってるのに、顔に笑みさえ浮かべてるって。

< 16 / 321 >

この作品をシェア

pagetop