Longing Love ~あなたに恋して、憧れて ~
「付き合うって…私と?あなた…」
私は、目をぱちくりする。
ナオが顔を近づける。
「なに、その難しい顔は」
「難しいこと言うからよ」
「どうして、難しく考えるんだ?」
彼の指が、顔の輪郭をたどって、
私の顔を両手でつつむ。
ナオは恋愛なんかで、
失敗したりしないのだ。
だから、どうしたら
上手いかせる、という発想がない。
「どうして、私なの?」
「さっき、春が言っただろ?
誰と付き合っても、
同じものを求めてるって。
俺より、春のほうが俺のことわかってる。
だから、責任取れ」
「ナオ、ふざけないで。
私が、あなたと上手く行くって
どうしてわかんのよ。だめよ、絶対ダメ。
そんな理由じゃOK出来ない」
「やってみなきゃ、分からないじゃないか」
ナオは、私が油断している間に、
私の体に腕をまわす。
お互いの体が近くなる。
「やってみるまでもないよ」
さっきから、
不穏な空気を感じて、
ナオの腕から逃れようとしているのに、
逆にナオは腕の力を強めている。
「そうかなあ。いいと思うけど。
そんなことより、
春は、キスとハグのどっちがハードル高い?」
例のごとく、これだけNOだと言ってるのに、顔に笑みさえ浮かべてるって。