Longing Love ~あなたに恋して、憧れて ~


結局、雪乃は週に2日、
俺は学校の授業が終わった後、
見てもらう事になった。


「はあ?そこまですんのか?」


「だって、高城君のノート見るより、
私が講義受けたほうが早いし」


春は、仕事を請け負うと決めたら、
完璧主義者だった。


俺と一緒に自分とは、関係ない授業を受けて、
その後、課題に付き合ってくれる
というものだった。


「いや、いいって。
そこまでやらなくても。勘弁してくれ」



「じゃ、単位、絶対落とさないって自信ありますか?」



「いや…あんまりないけど」



「じゃあ、私の方針に従ってください」



「あっ…ああ。わかったよ、もう」



ここまでされると、
単位が取れませんでしたとは言えず、
ちゃんと勉強しなきゃと覚悟した。



最初の授業の後、春を学食に連れていき、
ラーメンを二人で食べることにした。



学食になんか、行ったことはなかったけど、
春が行きたいというから、
1度くらい行ってもいいかと思って付き合った。



「高城君、チケットは1枚でいいから」


えっ?

俺はすでに、自販機に金を突っ込んで、ボタンを押していた。



たった三百円じゃないか。
律儀とか、礼儀正しいっていうの
通り越して、正直、うざいと思った。


「ついでだし。たいした金額じゃないから。
勉強も見てもらったし」


イライラが顔に出ないように、
わざと微笑むようにいう。


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