Longing Love ~あなたに恋して、憧れて ~
壁に掛けてある、
コルクのボードに写真が貼り付けてある。
ナオは、それを剥がして見つめている。
私が一人で写っている、
どうってことない写真。
「ナオ?」
「これ、剥がしていい?」
「ええ…いいけど」
どうしてその写真なの?
と聞きかけて、
その写真が撮られた時の事を思い出して、
質問するのをやめた。
「かして、それ、しまっておくから…」
「ダメ、燃やしていい?」
怒ってるわけじゃなさそう。
でも、機嫌は良くない。
そんな顔でナオは、
剥がした写真を見つめている。
「ええっ?燃やすって…
ええっ? うん…いいけど」
その写真は、久俊さんが撮ったものだ。
彼の他のものは、
段ボールに入れてクローゼットの中にある。
写真は、私しか写ってないから、
そのままになっていた。
「ゴミ袋ちょうだい」
「ナオ?何を始めるつもり?」
「消毒…」
「ええっ?何するつもり」
「だいたい無神経だろう。
男が撮った写真、むかつく」
どうして…わかったの?ナオ