Longing Love ~あなたに恋して、憧れて ~






壁に掛けてある、
コルクのボードに写真が貼り付けてある。

ナオは、それを剥がして見つめている。


私が一人で写っている、
どうってことない写真。


「ナオ?」


「これ、剥がしていい?」


「ええ…いいけど」


どうしてその写真なの?

と聞きかけて、
その写真が撮られた時の事を思い出して、
質問するのをやめた。


「かして、それ、しまっておくから…」


「ダメ、燃やしていい?」

怒ってるわけじゃなさそう。
でも、機嫌は良くない。

そんな顔でナオは、
剥がした写真を見つめている。


「ええっ?燃やすって…
ええっ? うん…いいけど」


その写真は、久俊さんが撮ったものだ。


彼の他のものは、
段ボールに入れてクローゼットの中にある。


写真は、私しか写ってないから、
そのままになっていた。


「ゴミ袋ちょうだい」


「ナオ?何を始めるつもり?」


「消毒…」


「ええっ?何するつもり」


「だいたい無神経だろう。
男が撮った写真、むかつく」

どうして…わかったの?ナオ
< 175 / 321 >

この作品をシェア

pagetop