Longing Love ~あなたに恋して、憧れて ~
その写真、気に入ってるのに…
別に、撮ったのが誰だなんて意識してない。
それに、どうしてわかるの?
誰が撮ったかなんて。
ナオは、キッチンに向かうと、
コンロに火をつけ写真を火にかざした。
写真は、歪みながら炎に包まれて、
灰になった。
ナオはその様子をじっと見つめていた。
「ああ、すっきりした。春、ゴミ袋」
「ええ、あっ…はい」
「このマグカップ、
春の趣味じゃないよね。しかもペアだなんて」
えっ…カップに罪はないんだけど
ナオは、手当たり次第に袋に入れていった。
「この、絵葉書みんな、
知らない男からだし、燃やす?」
「ナオ、やりすぎよ」
ナオは、燃やす代わりに、葉書も袋に入れた。
袋は、どんどん溜まっていっぱいになった。