Longing Love ~あなたに恋して、憧れて ~
ハグ?それから、何ていってた?
ええっ
と思った時には、もう遅かった。
息が顔にかかるほど、近くにナオの顔がある。
「悪いな。春…」
頭をどう動かしても、
手足をとんなにバタつかせても、
ナオはしっかりと私を、
腕の中におさめている。
直前に、顎を引いて逃げようとしても、
ナオの力が強くてどうにもならない。
「何?そんな必死な顔して」
「あっ…いやっ…」
ナオは唇が触れるか、触れないかのところで、
ぴたっと止めている。
もてあそぶように。
「春妃の困った顔、可愛い…」
「困った顔くらい、
いくらでも見せるから…
ナオったら、ふざけないで…」
私は、いったい何をされるのか分からず、
口をパクパクさせられている。
「ナオ、いや。止めて…」
「その声も好きだよ。そそられる」
抵抗するのも力尽きた頃、
ナオはゆっくりと唇を重ねてきた。
優しく確かめるように、唇が触れる。
腕の力強さに反して、
キスは柔らかくて、温かい。
どうにかなりそう…
「ナオ…本当に止めて…」