Longing Love ~あなたに恋して、憧れて ~
「早く着替えて」


だから、後ろ向いてってば、ナオ。


自分は、さっさと服を着て、
準備ができたとばかりに私をせかす。


「うん」

かけてあった服の中から、
選ぼうとすると、
ナオがクローゼットを開けて、
ざっと洋服をチェックした。


「洋服も見てこよう」

確かに、クローゼットの中の服は、
近所に買い物に行くには申し分ないが、
デート向きではない。


「今日は、これでいいよね」

ブラウスに薄いブルーのカーディガン、
にベージュのスカートを
ハンガーから取り出す。


「家庭訪問に行く先生みたい」


「いい線行ってるでしょ?」


私は、ナオの方を振り替える。


ナオと目が合う。


あきらめてナオに背を向けて着替える。


「外で食事でもしよう」


「うん…」


部屋に置いて有るもの。
ナオが捨てた物は、


久俊さんが持ち込んだもの。
日常で使う物じゃない。


ナオは、捨てた物の上書きがしたいの?

上書き?

所有欲… じゃあ、
本当に、焼きもちやいてくれたんだ。


私は、ナオの顔をじっと見る。


「ウソ…」


「おい、いつまで焦らしてる?
いい加減にしないと、全部ひんむくぞ」


嫉妬?
ナオが?

ナオが、私の事を、
ちゃんと好きでいてくれてる。



そんなの、嬉しすぎる。


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