Longing Love ~あなたに恋して、憧れて ~



でも、ナオ?

普通、拒絶された相手に、
二度と向かおうとする強い人は、
それほど多くないのよ。


私だって、ナオに距離を置かれてから、
別の人と付き合った。


たまたま、うまくいかなかっただけで…


たまたま?
本当にそうだろうか?


こんなに、
ナオと深く関わりを持っていれば、
簡単に離れて行くなんて考えられない。


でも、ナオと恋人になって、
深く関わりを持ったまま、壊れたら…



元には戻れない。


『春妃、もう、
これ以上ないっていう、恋愛をしておいで。
強く結び付けば、壊れる時は脆い。

気まぐれなお坊っちゃまには、
わからないだろうな。
俺、それに賭けるかな』


久俊さんは、わかってるんだ。

ナオとの関係が友情ほど、続かないって。

ナオ?

やっぱり、
あなたへの気持ちを、
ずっと忘れないでいたのは、
奇跡だったかも知れない。


久俊さんのいうように、
ナオとの恋愛を始めたのは、
間違いだったかも知れない。


でも、もう戻れないね。私たち。
あの、楽しかっただけの頃には。

普段、見慣れた景色さえ、
いつもと違って見えるもの。

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