Longing Love ~あなたに恋して、憧れて ~
二時間を過ぎた頃、
さすがに探すのをあきらめた。
もう一度、部屋に戻って見たけれど、
春妃の姿は見えない。
春は、どっちの家にも帰ってない。
言いたいことがあるなら、
どうして俺にぶつけて来ないんだ?
どうして、逃げ出す?
と腹立たしい思いで、携帯を出す。
朱音んとこにいるのは、間違いないだろう。
あの男は、まだ名古屋にいるはずだから。
もし、彼が近くにいれば、
春妃は彼を頼るかも知れない。
まあいい、こんなこともう、
起こさなければいいんだ。
朱音のところへ行くのに、
電車で行こうと思って、考えなおした。
車のキーを取ると、駐車場へ向かう。
いてくれてるだろうか。
そうじゃなければ、もう探すあてもない。
朱音の所には、何も連絡しないで来た。
インターホンの応答を待つ。
はい、と朱音の低い声がする。