Longing Love ~あなたに恋して、憧れて ~
「彩夏に酷いこと言われたらしい」
春に聞こえないように小声でいう。
朱音は、俺たちを引き留めようと、
話掛けて来た。
「何で、春妃についてなかったのよ?」
「偶然、居合わせて、話掛けられた時、電話が掛かってきた。それで、席を外してたんだ」
「可哀想に。あんな女に、
いいように言われて。
ナオ、何であんなの春妃に近づけたのよ」
「いきなり、近づいて来たから
避けられなかった」
「そう、いつまで、
あんなカスみたいな奴と付き合ってるの」
「気をつけるから、そう怒るなよ」
朱音は、春に近づいて優しくいう。
ほんと昔から、朱音は春に甘い。
「春妃?今日は、家に泊ってね。
彩夏のことは私に任せて」
「うん。そうしようかな」
春妃も俺に許可を求めるように言う。
「春妃、もう少し、ここにいてもいいけど、
今日は、家に帰るぞ。泊はまた今度な」
「いや。帰りたくない…」
「ダメだよ。今日は、
俺と話さなきゃいけないだろ?」
「話したくない…何も」
「ほら、帰りたくないって。
ナオ、春妃は置いていって」
「じゃあ、仕方ないな。春妃、
ここで話し合いをするか…」
春が顔をあげた。