Longing Love ~あなたに恋して、憧れて ~
2階のドアが開き、誰かが階段を降りてきた。
叔母が二階に向かって、声をかける。
「拓也、起きたの?春妃ちゃん来てるよ」
拓也は1つ上の従兄弟だ。
ここにいた間は、うちの家族のことで、
散々嫌みを言われたから、
叔母さんの病院まで、
送ってもらうという提案は受けたくない。
1年前より、さらに体がガッチリし、
余計に無愛想に見えた。
「ああ、いい身分だな。
朝から親父が病気だって言うのに、
男連れで何やってんだ」
相変わらずだ。
「拓也、そんないい方しちゃダメでしょ」
「いいです。私気にしませんから」
「ごめんなさい。
拓也はあなたが帰ってくるの
楽しみにしてたのよ。
さっきまで、迎えにに行くって言ってたのに」
「えっ?」
とても、楽しみにしている人の
反応には、見えない。
「そうは見えないわよね」
「はい」