Longing Love ~あなたに恋して、憧れて ~
「元気だった?」

たった1年の間に叔母さんは、
疲れたように見えた。

「はい」

「1人で都会で暮らすの大変だったでしょ。
まして生活費も自分で稼ぐなんて」


「大丈夫です。大変でしたけど、
この一年、何とかなりましたから」


「そうね。あなたは、よくがんばってるわ」


叔母さんは、一息ついてから話始めた。


「あなたのお父さんね、おととい倒れたの。
救急車で運ばれたけど、
肝臓がひどい状態でね。
処置はしてもらってるけど、
体がだいぶ弱ってるそうよ…」


私は、一呼吸してから、言った。

「覚悟してます。
お酒止められないひとですから」


「あのね…春妃ちゃん、
こっちに帰って来る気ない?
後で、卓也からも話があると思うけど、
叔母さん、それがいいと思うわ」


「ありがとうございます。叔母さん。
でも、私、今のところ、
こっちに戻るなんて、考えてなくて…」


「そうかしら。一人で暮らすのは大変よ。
ここなら私たちもいるし、
春ちゃんも、ここに住めばいいのよ」


「いえ。叔母さんには散々
お世話になりましたから…」

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