Longing Love ~あなたに恋して、憧れて ~
食事を済ませ、春と話をした。
「お前、どうするつもり?」
話を聞いただけでも、無茶苦茶で、
言われるままに、払うことはない気がした。
それは、単なる、俺の勘だけど。
「父の治療代もあるの…
全部でいくらになるか、わからないけど、
お金を全部払ってから、叔母さんにも、
働いて返す」
「それじゃ、大学行けないだろう?」
「仕方ないじゃない。あんな父だけど、
死んでしまっても構わないなんて、言える?
どうあがいたって、方法なんてない。
見捨てる訳には行かないから…」
「春、いいか?何でも、
自分で何とかしようと思うな。
いいから俺を頼れ」
春は、目を丸くした。
「高城君、気持ちは嬉しいけど…」
そんなに驚くことか?
まあ、金は掛かるだろうけど。
「君の事については、祖父が動いてる。
俺は、じいちゃんの代理だ。
だから、この件に関しては、
じいちゃんに任せろ。
お金については、弁護士に任せる、
いいね?
心配するな、きっとうまく行くから」
あれこれ不安を口にしてる春を、
無理矢理部屋に押し込んで、
春をベッドに寝かせた。
祖父に、今日あった出来事を電話で話す。
「やっぱり思ったとおり、
金銭問題抱えておるだろう」
「ああ」
「園田に任せておけば、問題ない、
お前は園田の言うとおりに動けばいい」
「ああ。わかってる」
「春妃ちゃんは大人しくしてるか?」
「うん。でも、相当参ってる」
「ちゃんと慰めてやれ。いい機会だ。
彼女にちゃんとつけこめ」
「へんな言い方するなよ。春は友達だ」
「ははは…
今なら、チャンスだろ?お前のことを
どこかの王子様と間違うだろ?」
「そんなことしてどうすんだよ」
「今、たくさん恩を売って、
一生、手元においてい置け。
金は、何も増やすのに使うばかりじゃない。
あの子は間違いない人材だ。
頑張ってものにしろ」
「弱ってるときに、人の弱味に
つけ込むみたいじゃないか」
「お前は、本当にまだまだ、甘いな。
まだ良くわかっとらんとは。
これから、お前のことを、
どれだけ、真剣に思ってくれる人間が
いるかどうかだ。
恋愛感情も含めてな。
だから、
金は、その為に使え、いいか、けちるな。
恩は大きく売られるほど、
相手はお前から、離れられなくなる」
「じいちゃん、春のことは、悪いけど、
自分で決めるよ」
春を、どうにかしろ?
そんなこと言われると、
余計に意識するじゃないか。