Longing Love ~あなたに恋して、憧れて ~
俺は、まとめた考えを春と母親に伝えた。
そのなかには、
言わなくていいことも含まれる。
「本当に?本当に、
私、学校を辞めなくていいの?」
春は、きょとんとしていた。
「もちろん。やめたら、大損なんです。
お母さん。
春妃さんは、成績もいいし、
きっといいとこに就職できると思います。
でも、今、やめてしまったら、
全部水の泡ですよ。
だから、学校は辞めさせないで下さい」
「ふーん、そんなもんかい」
母親は、今度はしっかり約束した。
今度、借金しても、
春にはその責任を負わせないように誓う。
多分、父親が目覚めて、
パチンコをやることは、
無理だから大丈夫だと言った。
「お姉ちゃん」学校から帰ってきた
中学生の妹が俺に挨拶した。
「美春です」
ぺこっと頭を下げる様が、可愛いと思った。
やっぱり春に似ている。
「お姉ちゃんの彼氏?」
「違うよ。友達」
「いいな。東京にはこんなに、
かっこいい人がいるんだね。
こっちには、こんなにかっこいい人
いないもん」
「勉強がしたいなら、
こっちに来てもいいのよ。
その頃には私も働いてるし」
「いいよ。私、
お姉ちゃんほど頭よくないから」