Longing Love ~あなたに恋して、憧れて ~
私はようやく、
久俊さんに電話をした。
例によって、すんなり納得してくれない。
ナオと付き合う事になって、
いまのところ、
順調に行ってると切り出そうとする。
その話をしようとすると、
すぐに話を反らされる。
「久俊さん、私…」
「電話じゃなくて直接聞きたいな」
「直接って、そっちに行って?」
「来週戻るから、そのとき聞かせて」
「でも…」
「そのくらいいいじゃないか。会いたいんだ」
「はい」
「それより、こっちが落ち着いてきたから、
ちょくちょく顔を出すよ。
全部じゃないけど、
運用も会議に顔を出してもらおうと思ってる。
本当は、開発の担当者に回ってもらって、
一日中一緒に居たいけど」
「それは、私には役不足です」
「そうかな。すこし大変なくらいの仕事を
任せたほうが、生き生きしてるのに」
「私が必死であがいてるのを、
生き生きしてるだなんて、そういう
上司の下では働きたくないです」
「仕事を一緒にしたいのは、
君と一緒にいたいだけだ。
それから、住むところ考えてくれた?」
「その話は…」
「違う、違う。だいたいでいいんだ。
通勤に便利なところの相場が知りたい。
そのくらいなら、いいだろ?」
「ええ…」
「どんな理由でもいい、早く会いたいな」