Longing Love ~あなたに恋して、憧れて ~
あやふやにしたいわけじゃない…
精一杯、誠意を尽くそうと思ってるだけ…
私は、手にもった雑巾に力を込める。
「いったい、何してるの?」
私は、ナオを見上げた。
「見ればわかると思うけど」
「知ってるよ。
昨日は、部屋中のものをゴミ箱行きにして、
今日は朝から洗面所の掃除だ」
「掃除はしないと…」
「でもさ、いちいち、何か仕事を
見つけるようなことは、
しなくていいんじゃない?」
「うん。でも、少し埃っぽい気もするし…」
「絶対気のせい。
もういいから、こっちへ来いよ」
「そうだ、バスルーム」
「もう、いいってば。お袋がこの部屋に来て、
普段より念入りに掃除してあったら、
余計変に思うだろ?」
3日前、たまたま、
ナオの部屋で1人でいたところに、
妹の雪乃ちゃんが訪ねてきた。
大きくなった、雪乃ちゃんと、
時間を忘れて、話に夢中になった
とナオに話した。
「それでか、
お袋が付き合ってる女がいれば、
合わせろって、うるさかったのは」
「雪乃ちゃん、誰かって言わなかったの?」
「賢明にもそうらしい。
それで、昨日抜き打ちに来たんだ」
「だから、こうしてきれいにしてるのよ」
本当は、きれいにしてるんじゃなく、
私は、自分の痕跡を消しているのだけど。