Longing Love ~あなたに恋して、憧れて ~
笑いをこらえながら、ナオが入って来た。
「どうして、お母様がいるのよ」
「俺がバスルームから出た時には、
もうリビングにいた」
「信じられない…どうしてよ!」
「合鍵持ってるから」
「合鍵?」
「このマンション、親父の名義だったから。
鍵もそのままだったな」
「まさか、いつも突然来るとか?」
「うーん。それはないと思うけど」
リビングから、叫び声がした。
「直哉!!」
「ほら、呼んでるわよ」
ナオが、リビングに行こうとするのを、
腕を引っ張って止めた。
「お母様、ここにいるのが、
私だってわかってる?」
「いや。雪乃が言ってないとすると
知らないだろう」
「お母様に言うの?」
「まさか。わざわざ言わないよ。
でも、そのうち実家にも
連れて行かないといけないから、
そのときには、ばれるけど」
「そう」
ナオは首筋にキスをすると、
胸にあるロゴの辺りを指で弾く。
「それ、着たままでいろよ」
私は、ロゴをいじってるナオの手を弾いた。
「春?何か、うちの母に、
脅かすとか仕返しするとか考えてるの?」
「そんなこと、あるわけないじゃない」
「じゃあ、俺からは言わないけど、
バレたら隠さないよ」
「ちょっと、それから合鍵」
「変える必要ないさ。
母が息子のSEXが見たいっていうなら、
どうどうと見せてやればいい。
そのうち諦めるだろう」
「でも、心臓に悪いよ」
「おれも、そのTシャツ心臓に悪い。
お袋の前で始めないように隠れてる?」