Longing Love ~あなたに恋して、憧れて ~
私は、久俊さんに頼まれて、
そのままになっていた、
不動産の情報を少しずつ集め、
それをファイルにまとめていた。
ネット上のデータなら、
名古屋にいても探せるのだけれど、
通勤に便利な路線をいくつかに絞り、
地元の不動産屋のサイトも、
見てめぼしいものを集めてみた。
いくつかデータまとめました。
と短くコメントし、
場所とか、部屋の条件教えて下さいと
とメールで久俊さんに送った。
久俊さんからは、すぐに電話が来た。
―ありがとう。
気にしててくれたなんて嬉しいな。すごく
「どうでしたか?」
私は、持っていた資料を
リビングのテーブルの上に広げた。
―路線はいいと思う。
でも、間取りは、せめて1LDKは欲しいな。
春ちゃんはどう思う?
「私はワンルームでよいですけど」
―春ちゃんは相変わらずだね。でもいいよ。
会社から少し手当てが出るし。
本当は二部屋でもいいくらい。
「二部屋もどうするんですか?」
―いつ、春ちゃんが来てもいいように
「私は、今のところ大丈夫ですから」
―そっか。ありがとう。
参考にさせてもらうよ。
私は、電話を切った。
すぐにナオが入ってくる音がして、
作りかけの夕食を見にキッチンへ行った。