Longing Love ~あなたに恋して、憧れて ~
「恩田さん?
顔合わせの会議って、何が必要ですか?」
会議を前に、由貴ちゃんが近づいてきた。
「特に何も。メモがあれば」
「人たくさんくるかな…」
「そりゃあね。社内の担当者だけじゃなく、
協力会社の人も来るから…」
「あっ、前野係長いる」
「責任者ですから」
いるのは当然だけど。
久俊さんは、作業に没頭しているみたいで、
こっちを見ることはない。
久俊さんは、今日の会議のために、
昨日から東京にいるはずだ。
私は、もらったメールに
素っ気ない返事を返しただけ。
「おい、春?久し振りだな。
また、よろしくな。
前野さんと一緒でよかったな」
開発チームで一緒だった斉藤君だ。
「また、夫婦喧嘩するなよ!」
いちいち否定するのも疲れるほど、
みんなに、久俊さんとの事を冷やかされる。
そろそろ始めるか、久俊さんが
そう言ったので、全員が彼の方を向く。
「会議を始める前に、
1つ連絡事項があります」