Longing Love ~あなたに恋して、憧れて ~
ナオとはすれ違いになって、
ずっと、話が出来ないままでいた。
新しいプロジェクトの会議が、いくつも
入ってくるようになり、
遠方にいて、
会議に出られない前野係長が、
可能な限り、私にも、
会議に同席するようにというから、
普段の業務にしわ寄せが行った。
残業も増えていき、
ナオのところには寄らず、
自分のアパートに終電で帰る日が続いた。
何で、もっとやる気のある若手に、
補佐をさせないんだ?
そんな噂も、耳にするようになったから、
余計に手を抜けなくなった。
それでも、時間をかけていると、
今までしてきた事を段々と思いだし、
議論にも意見を挟めるようになった。
仕事に没頭すると、今度は、
ナオへの返信を忘れる事になって、
メールも、やり取りが出来なくなっていた。
ナオと過ごす時間が、
無くなってしまうことが、
気にならないわけじゃない。
ナオの顔が見られなかった。
余計なのは、私の方だという証拠を
また、見つけてしまうから。