Longing Love ~あなたに恋して、憧れて ~
朱音と会ってたことを、
ナオが言わなかった。
週に何度も会ってるなんて、言えるわけないか。
ナオも、秘密にするつもりは、
なかったのかも知れない。
私は、ナオと面と向かって、
話さなければと思っていたのだ。
多分、話してしまえば、
たいした事じゃないはず。
たいしたことだったら、どうしよう。
気になっているのに、
ナオに直接話をしようとしないで、
時間稼ぎをしている。
ナオが久俊に会うことを、
不安に思う気持ちがわかる。
でも、私は、ナオが朱音と会う時間を、
与えるべきだと考えていた。
もし、ナオが朱音に会いたいと思うなら、
私は黙って、見て見ないことにする。
ナオが、ゆっくり判断できるように。
もし、万が一、ナオが、
朱音のところへ、
帰りたいと言ったら、
私は、ナオの手を離してやれるだろうか?
その時は…
私が間違った場所にいるのだ。
悪いのは、ナオではない。
私がナオの事が好きで、横にいるだけ。
ナオが好きだったのは、朱音だ。
朱音に振られて、傷ついてたよね。
昔は、公園のベンチに座って、
電車が動くまで、隣にいてあげた。
ナオの隣にいるのは、朱音で、
私は、朱音の代わりにいるだけなのだ。
ナオが付き合った子は、みんな朱音の代り。
私だって、例外じゃない。
ナオのそばに居たかったら、
自分を特別だと思わない。
そんなこと、
付き合う前から、わかってたことだ。