Longing Love ~あなたに恋して、憧れて ~
「いいこと教えてあげるわ。
朱音、直哉、ずっと前にも付き合ってたのよ。
大学生の時。これは本当よ。
直哉からはっきり聞いたもの。
好きな人がいるって。その人が朱音さんだって。
これでわかったでしょ?
あなたの出る幕はないのよ」
ナオと朱音が付き合っていた?
「そ、それは、いつ?」
手が震えていた。
多分、彩夏も気づいただろう。
「あなたが揉め事を起こして、
直哉があなたを助けに行ったとき、
大学生の頃よ」
「うそ…」
今野彩夏に動揺していることを
悟られないように、
がんばっては見たものの、
ひどいめまいに襲われて、ふらついた。
私は、彩夏に気遣われて、
ソファに寝かせられた。
ナオが私を拒んだのは、朱音のため?
私を気遣ったからじゃなく?
ナオ、本当はどうなの?
あなたのかけてくれた言葉が、どんどん揺らいでくる。
やっぱり、
ナオは朱音のこと今でも思ってるの?
「大丈夫?少し休むといいわ」
彼女は、
私にダメージを与えられたことに満足し、
いたわりの言葉をかけて帰っていった。
どんなに考えても、頭が追いつかなかった。
ナオは朱音を思い続けていれば、
私はナオにとって、いらない存在だ。
朱音の気持ちが、ナオに向いてきたのだろうか?
ナオは、朱音に受け入れられるようになって、
私にどうやって、
離れて欲しいかって頭を悩ませてるだろうか。
いつか、終わりが来る。
それにたえられるだろうか?