Longing Love ~あなたに恋して、憧れて ~
「まさか、あいつ。
勝手に入って来てるのか?ここで鉢合わせした?」
私は、頷いた。
ナオは私にキスをした。
「ごめん。嫌な思いさせただろ?」
「いいのよ。それより、
何か食べられそうなものある?」
「お袋の作ったもので?無いよ。
竹さんが作った物の方を
持ってくれば食べるのに」
ナオは、中身を見ないで言う。
竹さんは、ナオが子供のときからいる
食事の世話をしてくれる人だ。
ナオは、私を小さな子をあやすように
胸に抱いている。
今は、どんなに優しくされても、
何かを隠すための、
罪滅ぼしのように見えてしまう。
「朱音とは、なんの話ししてたの?」
「たわいのない話し。あとは、君のこと」
「ナオ?朱音のことで、私に言うことない?」
「いや、別に。彼女は、いつも通りだよ。
春は?なに作ってたの?」
しばらく、ナオの顔に浮かんでは、
消える表情を、注意深く見ていた。
ナオが、袋の中をがさがさと開け始めた。
「うわあ…最悪。
よくこんな甘ったるいもん食えるよな…」
「待ってて、お酒でも飲もうか?
つまみ用意してくるから」
「酒も後でいいよ。今すぐ春妃が欲しい」
「ごめん、ナオ。私疲れてる」