Longing Love ~あなたに恋して、憧れて ~


お昼過ぎ。

ナオからも連絡があったのに、
電話に出ることすら出来なかった。


ナオは、もう私が出かけたと思うだろう。
持ち込んだものは、
持ってきたボストンバッグに詰め込んだ。



これからどうするかなんて、わかりきってるけど、
自分の周りに何が起こったのか、ゆっくり1人で考えたかった。



いったい、何がいけなかったの?
起こったことが、客観的に理解できていないんだろうか。


そんなの嘘だ。
こんなこと、想定内のはず。



ナオのマンションを出て、
重い足取りで、
横浜駅で乗り換えて、
山下公園まで出かけた。



平日の昼間なのに、人通りが多い。


ちょうど、氷川丸の近くのベンチに座る。
休憩中のおじいさんと同席だ。
大きな荷物を抱えた私は、家で女みたいだ。

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