Longing Love ~あなたに恋して、憧れて ~
「朱音、あなたに、
ずっと好きな人がいるってこと、
私気づいてるのよ。その人って、誰なの?」
朱音は驚いて、目を大きく開いた。
「ちょっと、いきなり何を言うの?」
「お願い。答えて。
本当のことが知りたいの」
「言っても仕方ないでしょ…」
「ああ…じゃあ、ナオは、一方的に
あなたのことがずっと好きだったの?」
「ちょっと待って、それは前の話よ。
今はそうじゃない」
「ナオは、朱音が応えてくれないから、
私でいいと思ってるんじゃないの?
もし、朱音の好きなひとがいなくなったら?
あなたが、
ナオの気持ちに、答えてあげれるようになったら?
いつでもナオは、
あなたのところへ行かせるわ」
「ひどい話ね。
ナオのこと、少しも信用してないじゃないの」
「信用してないわけじゃない。
もし、ナオが間違った行動をしていたら、
それは…」
「それは?何?」
「正しい行動に戻さなくちゃいけない」
朱音は、声を立てて笑った。
「バカじゃないの?
どこに自分のこと愛してるって、
いってる男に、
彼が本当に思ってるのは、自分じゃないって、
いい聞かせる必要があるのよ」
「愛してなんかいないからよ。
私のために、間違っちゃいけない」
「間違えてはいないわよ。
あいつ見てれば、わかるでしょ?
何の心配も要らないよ」
「朱音、私、本当は、誰かを信じるって
出来ないのかも知れない…
つい、この間まで、出来ると思ってたのに…」
「かわいそうに。
本当に愛してるんだね。あいつの事」
「そうよ。だから、本当のこと教えて」
「嘘なんて、ついてないよ、私達…」
「じゃあ、なぜ?
ナオが、あなと会うのを隠してるの?
どうして、毎日のように、
二人で会う必要があるの?」
「春ちゃん、本当にそんなんじゃないの。
彼を信じてあげて」
「彼の、何を信じるの?」