Longing Love ~あなたに恋して、憧れて ~
朱音の電話の着信音がなった。
「うん、ここにいるよ。
そう。わかった」
「ナオここに来るの?」
「そうみたいね。
気が気じゃないって感じだったけど」
「そんな…私、帰るよ」
立ち上がろうとしたところで、
腕をつかまれた。
「ダメ。今帰したら、私が怒られる」
それからすぐに、すぐにインターフォンから、ナオの声がした。
ドアがあく音がして、ナオが入って来た。
ナオは、朱音にわずかに目で合図して、
「春妃?帰るよ」と手を差し出した。
「また、おいで」
朱音は、ナオの手をとる前に、
私をぎゅっと抱きしめてから、
軽く頬にキスをした。