Longing Love ~あなたに恋して、憧れて ~
「ナオの横にいるのは、
私でいいのかなと思って…」
「はああ、もう、いい加減、俺も限界。
いったい、今まで俺の言葉、
ちゃんと聞いてた?
俺が言ったこと、覚えてる?
君は、どうして、俺が言ったこと、
全然聞いてないの?
こんなにいつも、言葉でも、態度でも、
しめしてるのに。全然伝わってない。
いい加減うんざりだよ。
春は俺のこと必要としてないだろう?」
「そんなことない。
ナオこそ必要とする人を間違えてる」
「何の話だよ…」
「朱音、一人になったの?」
「朱音は、関係ないだろ?
春は、俺といるより、
職場の方がどう見ても、楽しそうだし」
「ナオ…」
「そんなに、前の男がよければ、
そっちへ行けよ。
プロポーズされたんだろ?
そっちの男の方が大人で、
お前の事よくわかってるんだろ?
春がよければ、俺はかまわない…
お前が居なくても、
ちゃんと一人でやっていける」
「…そっか。わかった」
ナオは、イラついて大きな声を出す。
「おい、わかったって何だよ。
そんなにどうでもいい事なのか?
俺たちって」
「ナオ、私、今日は、アパートに帰る」
「ちょっと待て、このまま帰せるかよ」
言葉だけで、
ナオは体を動かそうとは、しなかった。
「私は…ここにいない方がいい」
「好きにしろよ」
ナオは、それだけ言うと
寝室に入ったまま出て来なくなった。
ナオ…ごめん。
私、ナオにうんざりしたって、
正直なところ、言われてほっとしちゃった。
いなくていいと言われて、
これで悩まなくて済むと思っちゃった…
私がどんなにがんばっても、
朱音のやることには叶わない。
「帰ります」
そう、メモに書いて部屋を出た。