Longing Love ~あなたに恋して、憧れて ~
春なら、少し様子を見て、
軽く皮肉ってから、俺の態度を
子供ぽいって笑うだろうな。
不思議なことに、
春以外の女に言われても、苛つくのだ。
春妃以外の女なんて、
しばらく、並んで話したいと
思わなくなっていた。
精神的な繋がりも、肉体的な繋がりも、
春一人いればいい。
なのに、時々わからなくなる。
店を出て、朱音に電話した。
タクシーで、朱音の部屋に向かう。
こんな風に、何度も朱音の所に通った。
朱音はただの友達だ。
春に対する感情とまるで違う。
皮肉にも、男友達と同じ感覚で、
会っていた朱音とのことが、
疑われるだなんて。
「それで?春妃に当たり散らして、
こうして飲みあかしてるんだ」
「別に、一人で飲むなんて珍しくないよ」
「そっか、じゃあ私も飲もうかな」
「ああ」
「よかった。仲間がいて」
「仲間って何だよ」
「失恋仲間。
春妃に振られたじゃない、あんたも」