Longing Love ~あなたに恋して、憧れて ~
いつも冷静な朱音が、珍しく俺にあたってる。
ビールを1缶渡してやる。
「マンション借りて、二人で暮らし始めて、
毎日一緒に暮らして、同じベッドに寝て、
あんたが入る余地何かどこにあるのよ?」
「おい、昨日の今日だぞ。いくらなんでも」
「電話してみなよ?」
やっぱり朱音は、結構、酔ってる
「真夜中じゃないか」
「ナオは、心配じゃないの?
春が今どこにいるか…」
「アパートだろ」
「春、電話してこなかったんだよね。
いつも、なんかあったら、ホンと
すぐに電話くれるのに。
こんなこと無かった。今夜は…
誰か聞いてくれる人がいるのかも」
「縁起の悪いこと言うなよ」
「春と一緒にいた時間も長いのに、
春の気持ちもつかんでたのに、
偶然、居合わせた人に横取りされるって…」
だらしないって、
いう風に朱音がいうから、
さすがに俺もキレた。
「朱音?いい加減にしろよ」
逆に朱音の方が、声を張り上げた。
「ナオはさあ、まだ終わったわけじゃない。
だから、恐がってないで、
こんなところでくさってないで、
春妃のところへ行きなよ。」
「朱音?」
「あんたには、未来が無いわけじゃないのに」
「ああ、そうだな。
ごめん。ありがとうな」
「いいよ。春のためだもん」
「ああ。わかったから、飲むのやめろ」