Longing Love ~あなたに恋して、憧れて ~
真っ直ぐ見つめて来る、
朱音の視線をかわしながら言う。
「それは、多分、朱音との仲を疑ったから」
朱音のやたら低く響く声が、耳につく。
「はあああああ?」
「何だよ、いきなり」
「それ、何で障害になるの?
悪いけど、なんの疑わしさも無いのに、
何で春妃に説明しないのよ」
朱音の表情が、俺に対する怒りから、
同情にかわっていく。
「ああ、そっか。だから、
私がナオを好きかどうか、聞いたんだ。
ああ…ごめん。ナオ。
言えなかったの私のせいだね。
私から話すよ、春に」
「いいよ、朱音は関係ない」
「黙ってろってこと?」
「春が、お前のこと、どう受け止めるか分からないんだぞ」
「まあ、嫌われるかも知れない。
そういうリスクはあるよね。
ナオは、それでいいの?
でも、それじゃ、春妃を苦しめたままだよ」
「朱音に
そんな思いさせるわけに行かないよ」
「へぇ、じゃあ、私の名誉のために
自分が犠牲になるんだ。
言っとくけど、私は、
自分がそういう立場に立っても、
遠慮しないから」
「朱音…」
「いい、私達は、自分達がお互いに恋愛対象に
なりえないってわかってるよね」
「ああ」
「私だって、あなたと寝るつもりなんかまったくないし、
あんたも、私のことそういう目で見てる。
でも、春妃は何も知らない。
純粋にナオが私に会いたくて来てると思ってるの。
春を呼び出だそう。
私は、ちゃんと説明するよ」