Longing Love ~あなたに恋して、憧れて ~
朱音が、ビーフジャーキーの欠片を
口に放り込んで言う。
「ちょっと待って、
その人となんで、別れたの?」
「転勤になったから。ちょっと食べながら、
しゃべるの止めなさいよ」
私は、朱音から、ビーフジャーキーの切れ端を横取りする。
朱音は、指を舐めながら、眉をつり上げた。
スゴく色っぽい…
こういうの、男性が見ると、
きっとグッと来るんだろうな。
今度、真似してみようかな。
「遠距離すれば、いいじゃない」
「難しいのよ。遠距離は」
「別れるほど難しくないでしょ?」
「ノーコメント…」ほら、詰んだ。
もう、朱音、わかった。
降参するから。
しばらくの間があく。
「ってことは、春妃が断ったんだ
…なんで?」
やれやれ、という顔で答える。
「朱音、その何でも、
物事を確かめようとするのよくないよ」
朱音が急に笑いだした。
やだ、どうしたのよ。
私、何かやらかした?
「ぶっ、ナオだ。それ」
朱音が、吹き出して笑った。
「えっ…ナオ?」
記憶がよみがえってくる。
耳元でささやかれた記憶。
ナオの唇が、いろんなところに触れる感覚。
ナオの息遣いも、抱きしめられた感覚も。
私は、自分の顔が、
みるみる
赤くなるのがわかった。
「やっぱり、ナオが原因なんだ。
元カレに何て言ったの?」
くっくっと朱音が笑う。
「ストレートに別れましょうって」
「それで、返事は?」
「こっちに帰ってきたら、
もう一度話し合おうって」
「春妃、それ、別れてないんじゃない?
少なくとも相手は、
あんたと別れるつもりなんてないじゃん」
そう。朱音の言うとおり。
彼は、納得しなかった。
距離がダメなんじゃないと。
『俺達まだ、終わってないよ』
別れよう、そう言ったけど
まだ、そうすべきじゃないと言われた。
口に放り込んで言う。
「ちょっと待って、
その人となんで、別れたの?」
「転勤になったから。ちょっと食べながら、
しゃべるの止めなさいよ」
私は、朱音から、ビーフジャーキーの切れ端を横取りする。
朱音は、指を舐めながら、眉をつり上げた。
スゴく色っぽい…
こういうの、男性が見ると、
きっとグッと来るんだろうな。
今度、真似してみようかな。
「遠距離すれば、いいじゃない」
「難しいのよ。遠距離は」
「別れるほど難しくないでしょ?」
「ノーコメント…」ほら、詰んだ。
もう、朱音、わかった。
降参するから。
しばらくの間があく。
「ってことは、春妃が断ったんだ
…なんで?」
やれやれ、という顔で答える。
「朱音、その何でも、
物事を確かめようとするのよくないよ」
朱音が急に笑いだした。
やだ、どうしたのよ。
私、何かやらかした?
「ぶっ、ナオだ。それ」
朱音が、吹き出して笑った。
「えっ…ナオ?」
記憶がよみがえってくる。
耳元でささやかれた記憶。
ナオの唇が、いろんなところに触れる感覚。
ナオの息遣いも、抱きしめられた感覚も。
私は、自分の顔が、
みるみる
赤くなるのがわかった。
「やっぱり、ナオが原因なんだ。
元カレに何て言ったの?」
くっくっと朱音が笑う。
「ストレートに別れましょうって」
「それで、返事は?」
「こっちに帰ってきたら、
もう一度話し合おうって」
「春妃、それ、別れてないんじゃない?
少なくとも相手は、
あんたと別れるつもりなんてないじゃん」
そう。朱音の言うとおり。
彼は、納得しなかった。
距離がダメなんじゃないと。
『俺達まだ、終わってないよ』
別れよう、そう言ったけど
まだ、そうすべきじゃないと言われた。