Longing Love ~あなたに恋して、憧れて ~

改札を出て、アパートへの道を急ぐ。


途中の坂は、気づいたらかけ上がっていた。



こんな雨の中、いるはずが無いのに。
傘も役に立たたず、
駅を出た途端にずぶぬれになる。



雨足は、一旦止んで、また強まっていた。


息が上がるのも気にしないで、
坂をかけ上がった。



やっと、アパートが見えてきた。


雨で視界が悪く、
明かりが届く所には、人影はない。




「ナオ?いるの?」


人の姿も、声もしない。
ナオは、もう帰ったのかも。


部屋に向かう階段を上ると、
部屋の前で、
人がうずくまっているのが見えた。



「ナオ?ナオなの?」



全身ずぶ濡れ、広まで、
ぐっしょり濡れていた。


「ナオ!大丈夫?
私よ?わかる?いつからここにいるの?」

ナオナの体は、冷えきっている。


「こんなところで、何してるの!!」

私は、
ナオを引きずって、アパートの中に入れた。

ナオ、大丈夫?
気がついたなら、起きて!
どうしよう。

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