Longing Love ~あなたに恋して、憧れて ~
どうしよう。何の反応も無い。
寝てるだけ?意識がないかも…



「ナオ?お願いだから、起きて!!」
ナオの頬を叩く。


「ナオ?お願い、返事して!何か言ってよ」


体温めなきゃ。
そうだ。お風呂にお湯をはって…


ナオの濡れてる服を脱がす。


ナオの足を私が踏みつけたのか、
うめき声をあげてナオが体を起こした。


「ううっ…痛ってぇ」
うめき声が漏れてくるだけで、
ナオは、ちゃんと話してくれない。



「ナオ?よかった、生きてる」
私は、一生懸命ナオの体を摩る。


ナオ?
私は、もう一度、ナオの頬を軽く叩く。


「止めろよ、痛いな、人の頬だと思って…」


「ごめん。服脱いで」


「服?俺、指がかじかんで、
シャツが脱げない。
うまく動かせないから、春が、やって…」


ナオの指に直接触れた。
なんて、冷たい体…
上半身を裸にすると、
ナオをお風呂場まで連れていく。


「風呂に入るのか?俺」



「うん…」


早く入れなきゃと思って、焦って
ナオの体を押した。


「おい、ちょっと待て、ズボンはいたまま…」


バチャンとしぶきが飛ぶ。



「熱っつい!」



「熱かった?ごめん!!
あああ…どうしよう」



「ひでぇな、ごめんで済むかよ」



今度は、ナオが私の腕を引っ張る。
ナオが私の体を押さえつけて、
湯船に引っ張りこんだ。




私は、ナオの上に乗っかったまま
湯船につかっている。



「最初から、こうすれば良かったんだ。
ちゃんと春と会えた」
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