Longing Love ~あなたに恋して、憧れて ~
私は、彼の後を追いかけて、
慌ててバスタオルを巻いただけで、
バスルームを出た。

ナオは、短いタオルを腰に巻いて
ベッドに座っている。

クローゼットの中の服を取ろうとして、
ナオにつかまえられた。

バスタオルを取られて、
髪をぐしゃぐしゃっと拭かれた。



「痛いってば」


「そのくらい我慢しろ」

髪の事より、直接肌が触れあうほど
近くにお互いの体があることを、意識する。



「ん?」


ナオが真剣な眼差しで私を見ている。



「別れて暮らせるのか?」



「うん。お互いのこと嫌いになるよりは。痛っ!」



「どうして、嫌いになんかなれるんだよ!」

強い口調に驚いた。



ナオは、拭き終わったタオルを
自分の腰に巻いてしまった。



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