Longing Love ~あなたに恋して、憧れて ~
「意地悪」
「春の意地悪に比べれば、
俺の前で、ストリップくらいして
くれてもいいだろ?」
「意地悪なんかしてないもん」
ナオは、私のことを落としめたいのか、
からかいたいだけなのか、
顔の表情からは、わからない。
ナオは、あはははっと大きな声で笑った。
「お前、その格好じゃ全然、説得力無いな」
ナオの言葉がひどく悲しくて、
苦しかった。
「私を傷つけたいなら、2度と会わない、
帰ると言って、
部屋を出て行ってくれればいいのに」
「春妃、俺は君と別れたいわけじゃない」
クローゼットにある着替えを
取り出すには、
ナオの前を通り抜けなきゃいけない。
そうしてるうちに、
伸びてきた腕に絡みとられて、
ナオに抱きしめられる。
泣きそうになるのを、こらえる。
ナオの体の温もりが、体の全体に広がる。
世界中のどこよりも、心地よい場所。
認めないわけには行かない。
私は、ナオの事を愛してる。
ただ、ひとつ私のいたい場所。
「ひどい女」
「ひどいのは、ナオのほうだよ」
「そんなわけないだろ?
お前、俺には、
何やっても許されると思うのか?」
私は、ナオの体を突き放そうと
ナオの胸を押す。
「許されようなんて思ってない」
ナオは、腕に力をこめて私の体を引き戻す。
「上等じゃないか」
ナオが、私をぎゅっと抱きしめ、
キスをする。