Longing Love ~あなたに恋して、憧れて ~
春妃とのことを
誰よりも早く報告したかったのは、
祖父だった。
家にいるとき、
誰もいないタイミングを見計らって、
祖父に声をかけた。
祖父は、喜んでくれた。
そして、春を、いつ家に連れて来るんだと、
その場で日にちを
決めさせられそうになった。
もちろん、勝手に決められないから、
約束は出来ないってがんばったけど。
かわりに春の電話番号を教えて、
二人で調整してと頼んだ。
「それで…例の件は、
春ちゃんに話したのか?」
「なんです?例の件って」
「何だ。雪乃から聞いてないのか?」
「雪乃がどうかしたの?」
「お前のマンションと
自宅を取り替えろってうるさいぞ」
「何で雪乃が?」
「そろそろ独り立ちして、
1人で暮らしたいんだそうだ。
彼氏でもできたんだろう」
「で?なんで俺のマンションが?
部屋なんか勝手に借りればいいのに」