Longing Love ~あなたに恋して、憧れて ~






朱音が、用意してくれたシャンパンで
3人で乾杯をした。


「おめでとう。やっとくっついたの」


朱音が笑って私たちを祝福してくれる。

ナオが私の腰に腕を回し、
一応、朱音の視線を警戒する。


「なんかやりにくいな。
朱音は一応ライバルで、春のこと見て、
キスしたいとか思ってるんだろう?」


「当然よ。本当に美味しそうな唇ね、春?」


「朱音、からかいすぎよ」


「わかった。
これから、ナオの前では
見てるだけで、
実行に移すことはないからね」


朱音が私を見て、意味ありげに微笑む。
ナオは不満そうだ。


「それより、朱音?うちの会社に、
仕事のオファーしたんでしょ?
どうして?」


「ちょっと、面白そうだと思って。
あなたのところの係長」


朱音は、グラスに口をつけ、
首を少し傾ける。



その仕草にはっとする。

何だか朱音が特別に思える。


「久俊さんが?」


「ええ。そうよ」


「ええっ?朱音、
お前、あいつのこと好きなの?」
ナオが口を挟んできた。


「男でも?って聞くつもりなら、
引っぱたくわよ」

朱音は、
ナオの頬を軽くパチンと叩いた。


「あなたは少し黙ってて」
私も、ナオにいう。

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