Longing Love ~あなたに恋して、憧れて ~
私は、朱音と二人きりで話す。
「私は、いいと思うわ。
久俊さんすごく優しいし」
「うん」
朱音は、恋愛感情かどうかわからないけど、
と前置きして、
男性に対して不信感があったのが、
久俊さんには感じないと説明してくれた。
確かに、朱音は自分が好きになるより、
相手の方が夢中になって、
相手への愛情が育つ前に、
夢中になった相手に追い掛け回される。
朱音は、ずっとそういう思いをしてきた。
「直接アプローチするより、
いっしょに仕事から入るって。大胆だね」
「ええ」
「でも、システムを発注しても、
社長の朱音と、前野さんの仕事って
接点ないでしょ?」
「そうだけど、その点については、
ちょっと知恵を絞ったの。
結局、(社長を中心とした)社内システムの構築ってことに落ち着いた」