Longing Love ~あなたに恋して、憧れて ~
「何?まだ、何かある?」


彼女が急に立ち上がった。
そしてとんでもないことをいう。

「決めた。私、あなたが欲しい」


俺は、椅子から転げ落ちそうになった。

「ああああっ?ちょっと待って、
どういう意味だ」



「文字通り、私、
あなたが欲しくなっちゃった」



「いったい、どういうわけ?ふざけてるのか?
何をいい出すんだ?」


「本気よ。今の給料いくら?
今の三倍だすわ。
ねえ、システム部そのまま、任せる?
そうね、そんなんじゃなくて、
独立させて会社組織にしてもいいな」


ああ、びっくりした。そっちか。

「急に何をいい出すんだ!!」



「言ったでしょ、私、本気だって」
この人と話してると、頭が変になる。


「大人をからかうんじゃない!」



「いいわあ、その台詞!
1度、言われたかったの」


頭が痛くなってきた。
「おちょくってるのか?」


「まさか…私ね、欲しいものは、必ず手に入れるの。
まあ、春は仕方ないけど…あなた、春と似てるわ。だからね!」


「うわっ!!」
堀田社長に抱きつかれた。



「ねえ、あなた、
私を見て何とも思わないの?」


「思わない!!今日は、失礼するよ。
止めろって、いいから、離れろ!!」

冗談じゃない!!
こんな娘にからかわれるなんて。

「あら、そお?
なんだ、帰っちゃうの?残念」



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