Longing Love ~あなたに恋して、憧れて ~
何、余裕ぶってんだ。


春が目の前から、
居なくなったかも知れないって
聞いて、死ぬほど後悔したくせに。



もういい、時間がない。
取りあえず、返事しなきゃ。


春のことで、こんなに振り回されるなんて、
おかしいだろう。


春なんて、いつも俺の側にいたし、
俺のこと好きなはずだし。


俺から離れてどこかに行くなんて、
考えたこともなかった。


春なんて空気と同じだし、
いつまでもそこにいると思ってた。


落ち着かなきゃ。


春が、今すぐどこかに行くって
決めた訳じゃない。


今すぐ会いにいって、
何考えてんだって言ってやりたい。
お前、俺から離れて平気なのか?


だから、落ち着けってば。

焦れば焦るほど、失敗するって。

落ち着けよ、と言い聞かせても、
無理だと応えてる。

どうしよう。



先走って、春にキスして、
春の反応は、腰が引けて、イマイチだった。


そんなこと考えてなかった。

春は、俺が言うことなら
だいたい受け入れてくれたのに。


春に拒まれるなんて、想定してない。

このまま、
NOという返事ばかり聞かされたら?
今にも逃げ出しそうな顔で、顔背けて…

そんなに嫌なのかよ。

今まで、そういう反応を
取られたことがなかった。

好きだって好意を見せれば、私もと言って
それで上手くいくと思ってた。
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