Longing Love ~あなたに恋して、憧れて ~
「どうしたの、その荷物」
「昼食べた後、そのまま大阪に向かうから」
「ごめん、そんな時に。
ランチなんか食べてる場合じゃないよね?」
「お前ねえ、
ここまで来てそれは、ないだろう」
「わかった。駅の方へ行こうか?」
春は、前みたいな、
親しげに笑いかけてくれた。
それだけで、
来た甲斐があるとか思ってるぞ、俺
…まったく。
どんだけ春に会いたかったんだよ。
本当に、これが俺?
まるで、春にやられっぱなしだ。
「やっぱり、忙しいんだね」
「そりゃ、まあ。人並みには…」
「ナオが来たから、ロビー大騒ぎだったよ」
「何だよ、それ」
「受付に、凄くかっこいい
男の人が、訪ねて来たけど、
恩田さんの彼氏かって何人にも聞かれた」
「急に訪ねて悪かったな。
聞かれたんなら、
そうだって、言ってもよかったのに」
「そんなこと言ったら、
後で、質問責めにあうよ」
「質問ぐらい、答えてやれよ」
「そんなことより、
何か、話があったんじゃないの?」
話なんかない。顔見に来た。
俺、お前にキスしてから、
毎日キスしたくて仕方ないって、言ったら?
そう言ったら、春妃は、なんて答える?
「いや。この間のこと、
大丈夫かなと思って」
「わざわざ、そんなこと言うために来たの?
言ったでしょ、気にしてないって」
春は、オフィス用に緩く髪をまとめていた。
あの髪留めを引っ張って、
この間の続きがしたくなった。
すぐにでも、その生意気な唇、
塞いでやりたい。
今度は、泣いても、わめいても、
許してやらないからな。